また何処かで出逢えるはずだから





さようならと言わないで





出会いは突然やってくると人は言う。

まさしくその通りである。


4月。まだ、新学年が始まって間もない頃に私たちは出逢った。

クラスにも未だ馴染めず、仲の良い子と適当に喋るぐらいだった。


「ねぇ、消しゴム拾ってくんない。」


英語の授業中、彼は消しゴムを落とした。

途中で割れたり、ボロボロになったりすることなく綺麗なままの消しゴム。

私の机の前に落ちている消しゴムを拾うと

隣の席にいる彼に消しゴムを渡す。


「はい。」

「サンキュー。」


こんな何処にでもありそうな

何気ない会話で私たちは惹かれあった。


彼のタイプは

スポーツ万能で背が高くて、スタイルも良くて可愛い子。

私のタイプは

誠実で優しくて、頭が良くてカッコいい人。


「最上?あー…ちっこいからパス。」

「内藤君?馬鹿過ぎるからなーちょっと嫌かも。」


そんな風にお互いに影で酷いことを言っていた。


だってタイプじゃないんだもん。





実際は、違う。




「実はさ、消しゴム…あれワザと落とした。」

「ワザと?」


そう。ワザと。

私は彼に仕組まれた。


「だって最上、男と話すの苦手そうだし。何かきっかけ作りたくて。」


そう言って彼は、顔を赤くしながら

空を見上げて、出来ていない照れ隠しをする。


「内藤君のあの時の顔、覚えてるよ。」


私の方を向いて

サンキューって凄い笑顔で


「恥ずかしいから止めろ。」

「面白い。」


そう言って私は、顔を緩ませながら

彼を見て笑う。


「お前、笑ってた方が可愛いよ。」








「有難う。」






これで私たちは、さようなら

卒業してからも、また逢える

さようならとは言えずに


私たちは飛び立つ



(060502)今更ながら卒業ネタ。長いよー!話のまとまりが無くて御免なさい。



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